尊敬する伊藤宗親先生が編まれたロールシャッハ法の事例集。
プロトコルが掲載された事例集というだけで，現在ではとても貴重なものです。収録された事例も統合失調症，双極性障害，物質使用障害，ASD，知的障害などときわめて多様で，現代的です。
伊藤先生をはじめとする小川門下の先生がたに加えて小川先生ご本人，さらには伊藤先生が指導されてこられた岐阜グループの方々からなる執筆陣で，前書きによればもともとは小川先生のご退職記念で企画されたとのことですが，これまでの伊藤先生の歩みの一つの到達点でもあろうかと思います。
個人的には，岐阜からわざわざ大阪まで通ってこられて阪大法の研鑽を積まれていた服部信太郎先生が2篇ご執筆されているのが感慨深いです。
現在中断していますが，自分の「形式・構造的系列分析」の資料としても活用させていただきたいと思います。
